あなたは『トンマナ』という言葉を聞いたことがありますか?
トンマナはデザインやブランディングをする上で非常に重要です。
動画と関係あるの?って思われるかもしれませんが、動画はグラフィックの連続。
つまり、動画はデザインの連続と捉えることができるので、動画制作においても重要だと言えます。
動画の知識だけではなく、デザインの勉強も必要ですね!
動画を制作する上でトンマナを意識しないということは、プロモーションしたい企業や商品サービスのブランディングを無視するということ。
これは視聴者に間違った世界観やメッセージを与えるといっても過言ではありません。
例えば、あなたが自分をPRするために動画を依頼したとしましょう。
完成した動画が、視聴者に与えたいイメージと違ってたらどう思いますか?
まったく自分のことを理解してない
もうこの人に動画を依頼したくない
おそらく、このように思うでしょう。
クライアントからの信頼を得るには、プロモーションするもののブランディングを理解し、トンマナを統一させることが大切です。
今回は動画制作におけるトンマナの概要、ポイントやコツについてご紹介していきます。
トンマナとは
制作現場におけるトンマナとは、「トーン&マナー」の略です。
- トーン(tone):色合い、色調、調子
- マナー(manner):方法、様式、しきたり
などの意味があります。
つまり、数あるデザイン要素を一貫させるルールやスタンスの事を意味します。
デザイン要素はカラーやデザイン・レイアウト・フォントなど様々です
簡単に言ってしまえば、「統一感」です!
トンマナを合わせるメリット
トンマナが整っている動画や動画コンテンツは、統一感があり、見た人に情報やコンセプトが伝わりやすくなります。
ターゲットユーザーにどのような印象を与えたいかをトンマナに落とし込み、ブランド構築やコンバージョン率の向上につなげることができます。
- 「らしさ」が生まれる
- ユーザーが理解しやすい・印象づきやすい
- 一定の品質が保持できる
事例
コカ・コーラ
コカ・コーラのシンボルカラーといえば鮮烈な「赤」。
コカ・コーラ社では、この赤色を「コーク・レッド」と呼び、ブランドのシンボルカラーとして大切にしています。
コーク・レッドを見れば、多くの人がコカ・コーラだと認識する、とても印象的なカラーです。
スターバックス
スターバックスのブランドカラーはグリーンで、世界中のユーザーからも認識されています。
ユーザーに癒しと落ち着きを与えてくれるグリーンとブラウンで店舗内を統一。
ロゴ・コーヒーカップ・ストローなどにグリーンが意図的に配置されています。
スターバックスはTVCMをしないことでも有名ですが、そのブランドカラーはしっかりと認識されています。
マクドナルド
マクドナルドといえば「黄色」と「赤」を連想する人が多いと思います。
CMや商品パッケージ、ウェブサイト、アプリのデザインにも一貫して赤と黄色が目につくデザインとなっています。またフォントも全体的にゴシック体で統一。
このようにデザインの雰囲気を統一させることでユーザーの潜在意識にブランドのイメージを訴えかけることができます。
トンマナを合わせて一貫性を出すポイント
コーポレートカラーをベースにしたり、商品サービスのデザインをイメージさせるカラーやフォントなどで統一したりします。
配色を統一する
配色は全体の印象を決定づけるため、もっとも重要なトンマナの要素です。
色を見ただけでブランドのイメージが出てくる人も多いのではないでしょうか。
企業のコーポレートカラーをベースに、1〜3色程度使用するのがおすすめ。
色は使いすぎるとバランスが取りづらくなってしまうので、色数を絞り、割合を決めることでバランスの良い配色を作ることができます。
ベースカラー(70%)
多くの場合、背景や余白などに使われる色です。
一般的には白や明るいグレーなどが使われることが多いです。
メインカラー(25%)
テーマとなる色です。
コーポレートカラーや既存のロゴの色が使用されることが多いです。
アクセントカラー(5%)
変化や刺激を加える役割の色です。
メインカラーの反対色を使うとメリハリがつきます。
フォントを合わせる
フォントも配色と同じくらい重要なトンマナの要素です。
- フォントの種類
- 文字の大きさ
- 太さ
によってユーザーの読みやすさやユーザーに与えるイメージは変わります。
企業や商品サービスにイメージに合ったフォントを選びましょう。
また、たくさんのフォントを使うとデザインに一貫性がなくなってしまうので、一定のルールを決めておくと良いでしょう。
デザイン要素のテイストを合わせる
動画ならではのモーショングラフィックスやテロップ背景などもユーザーに雰囲気を伝えたり、わかりやすく情報を伝える、重要なデザイン要素のひとつです。
ここで言うデザイン要素は、
- ロゴ
- サイドスーパー
- テロップ背景・囲み枠
- 動画背景
- モーション
などを言います。
実際に動画を見た方が分かりやすいので、事例を見てみましょう。
サイドスーパーと強調テロップ背景を統一
ロゴの色と映像の背景を統一
テロップの囲み枠と映像の囲み枠を統一
ロゴとモーショングラフィックスの色を統一
全て合わせる必要はなく、2つ組み合わせるだけでも効果的
カラーグレーディング
同じ映像でもカラーグレーディングの仕方次第ではっきりした鮮やかなイメージにさせたり、柔らかくふんわりしたイメージにさせるなど変化つけることができます。
カラーグレーディングとは、作品の作風に合わせた映像の色補正のこと
企業や商品サービスの雰囲気に合わせて調整をしてみましょう。
時代に合わせて
相鉄ホールディングスの相鉄都心直通記念ムービー。
大正から令和までの時代を見事に再現してますね。
季節に合わせて
「春に髪」がテーマの一髪のCM。
ナチュラルでふんわりとした印象になっています。
商品イメージに合わせて
CHILL OUTのCM。
全体的にブルーな印象で彩度を落とした感じが、商品イメージとぴったりです。
動画イメージに合ったBGM
これまで目から伝わる情報についてお話してきましたが、情報を伝える上で非常に重要な役割を持っているのがBGMです。
BGMは動画のメッセージが伝わりやすくなるという役割を持っています。
例えば
- 明るい印象を持ってほしい=ポップな明るい音楽
- 落ち着いた印象を持ってほしい=クラシックなどの落ち着いた音楽
BGMは動画全体のイメージを調整することができます。
まとめ
トンマナの概要とトンマナを合わせて一貫性を出すポイントについてご紹介しました。
トンマナをしっかり意識するだけで、商品サービス・企業のブランディング力を高めることができ、信頼性の向上に繋がります。
- 配色を統一する
- フォントを合わせる
- デザイン要素のテイストを合わせる
- カラーグレーディング
- 動画イメージに合ったBGM
これらのポイントを抑えて、ブランディング効果の高い動画制作にぜひ役立ててください。